優しさと「比較の基準」

 毎日毎日ニュースで東京都の新型コロナ感染者数が発表される。最近は40~50人くらいで推移。本日は60人だったらしい。この数字が多いのか少ないのか?だいたい1400万人都市で60人という数字は、ほとんど0(ゼロ)ですよね?というか、逆に、東京都のような1000万人を超える都市で感染者が60人なんてあり得ないですよね。その100倍か、1000倍、それ以上いるでしょ、きっと。検査すればもっともっと感染者数は増えますよ。感染しても症状の発現しない不顕性感染の人を考慮すれば、もっともっと。現在その精度が5~7割程度のいい加減なPCR検査の機器分析装置の性能が向上し、100%近い精度で検査が可能になり、さらに迅速になれば、もっともっと増えますよ。昨日の朝日新聞に「死生観への郷愁」という題目で京都大学名誉教授、佐伯啓思先生の記事が載っていた。その中で「日本全体でみても、(新型コロナの)感染確率は高く見積もっても0.02%以下である。一方、インフルエンザによる直接、間接の死者数は年間約1万人とも推定され、2018~19年の感染者数は何と約1200万人を超えている。これだけ見れば、インフルエンザの方がはるかに怖い感染症である。」と先生は言っている。もちろん「しかしこれはあくまで統計数字の話に過ぎない。」と付記されているが。私の最近読んだ本に興味深い言葉が出てくる。「公衆には、いわば、比較の基準が欠けていたのである。」(「ペスト」カミュ著:新潮文庫)毎日毎日新型コロナに感染した人の数、そして死亡した人の数など、新型コロナに関するさまざまな数字が情報として垂れ流されているが、一般の人々(公衆)は、他の感染症と比較することなく、すべての数字を直接的に受け止めているので、過剰に危機を煽られている感がある。昨日だか今日だか忘れてしまったが、世界の新型コロナの感染者数が1000万人を超えてしまった!というかなり衝撃的なニュースが飛び込んできた。と、思いきや、日本で冬期に流行る季節性のインフルエンザの感染者数は先述した通り、1000万人を超えているんですよ。日本一国だけで。一国だけですよ。一国。ピーク時の1月には平均でインフルエンザによる死者数が1日平均50人にもなるんですよ。一国だけで。今年の秋以降が非常に楽しみです。新型コロナの感染者数と季節性のインフルエンザの感染者数を具体的に競争させて欲しい。ついでにノロウイルスの感染者数も。あ、従来のコロナウイルスによる普通の風邪の患者数と、それによる肺炎でなくなった人の数も合わせて。「比較の基準」を設けて、国民の頭の中を一度きちんと整理して、冷静に判断が下せるようにしましょう。早く秋が来ないかなあ。