優しさと心をかわすこと

 「人間は、一つの考えを持つと、その考えにこりかたまりやすいので、それをほぐすためには、違う考えの人間がいたほうがよい。」「自分と違う人間、自分と違う考えとの間で、心をかわすのが、やさしさなのだ。」(中学生までに読んでおきたい哲学第4巻「おろか者たち」に収載されている森毅著:やさしさの時代に)人に優しくするためには、まず相手を理解しなければいけない。相手の気持ち、考え、価値観。それらが自分と同じ類のものであれば、相手との距離は一気に縮まり、心がかよいやすくなるはずだ。しかし、自分と価値観が全く合わず、考え方も異なる相手との場合は、少々難儀なことになる。それでも相手の気持ちを理解しようと努力することはとても大切だ。相手の気持ち、考えをすべて受け入れるだけの度量が欲しい。懐の深さが欲しい。いったん相手の考えを受け入れて、どうしてそのような考えにいたるのだろうということを考える。自分の中で相手の考えを咀嚼して、あらためて相手を見つめる。「心をかわす」のはそれからだ。相手の気持ちを知り、相手を思いやる。それがやさしさなのだと思う。なかなかできることではないけれど。そういう気持ちで人と接することはとても大切なことだと思う。